●塔についての言い伝え
いつの頃からかその一帯は濃霧に包まれた。 霧の晴れ間から、ときおり姿を覗かせるその塔は、 それまで存在しないはずであった。
いつの時代に、どこの国が建てたものなのか。 行ったきり戻ってこないものも多く、どのような危険があるのかもわからない。 だが、そこにはあの美しい首飾りのように高価なものが、まだまだ眠っているのだろう。 楽しみだ。
この時期に、塔は二つの世界に同時に存在するものになったようだ。