●塔についての言い伝え
ゴブリン族が建てた居城。それがこの塔であった。
それは妖精族が栄えし、遥か昔の時代のこと。
それがいつしか霧に飲み込まれた。
その頃から、この塔は姿を変えはじめた。
ゴブリン族の力を凌ぐ何者かの手によって。
そして、さまざまな怪物どもが巣食う塔へと変貌していった。
見知らぬ種族が、塔の中を我がものの如く徘徊する。
人間族である。
カヤナーヤの群雄割拠の時代から、クロッカスによる統一にまでの間に、
霧に包まれた塔が見られるようになった。
それについての記述が、王国に残る何者かが残した私書に在る。 |